福岡県行橋市は7日、北朝鮮人権侵害問題啓発週間(10~16日)に、課長級以上の市職員が、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボンバッジ」を着用する方針を明らかにした。市議会本会議で鹿島英樹総務部長が答弁した。 北朝鮮人権侵害対処法では、拉致問題解決に向け地方自治体に対し「国民世論の啓発を図るよう努めるものとする」と規定している。鹿島氏は答弁で、同法を引用し、業務中の着用について「法的には問題がない」との認識を示した。 同市ではすでに、市議会に出席する市職員については全員がブルーリボンバッジを着用している。対象を拡大することで、拉致問題の啓発を強化したい狙いがある。 拉致被害者の支援組織「救う会福岡」の藤井守人代表は市の方針に対し「着用は手法の1つだ。拉致問題を知らない人への啓発や、忘れている人に思い出させる効果はある」と評価した。 「救う会」会長で、麗澤大学客員教授の西岡力氏も「人権問題として啓発義務は法律にも規定されている。モデルケースとして他自治体への波及を期待したい」と述べた。 ブルーリボンバッジをめぐっては、大阪地裁堺支部の裁判官が、平成30年5月から令和2年7月にかけて訴訟当事者や傍聴人に法廷内での着用を禁止。これが憲法違反に当たるとして、大阪府内の男性3人が先月、国家賠償を求め提訴している。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース